に参加した人たちに、取材して聞き取った記録。 舞台は独ソ戦、自ら志願して従軍したロシア人の女性兵士たちの記憶をまとめたもの。 日本人の戦争体験というと「太平洋戦争」。
12それは素晴らしいことだ」 という 教育から来る気持ちが 戦争に協力することを美しい行為にし、敵を血も涙もない悪魔のようにみなし、滅ぼそうとする思想がはたらいています。
悲惨な、残虐な、過酷な、勇敢な、可哀そうな、そんな抽象的な形容だけが彼らを漠然と表現する。
以下の原文と読み比べるとよくわかるが、コミカライズ版はほとんど言い回しが変わっていない。
また、夫や息子を戦争で失った女性は日本にもいますが、戦地で戦った人はいない。 記憶は薄れますし、改竄されます。 「日本では戦艦大和やカミカゼ特攻隊など『祖国のために命を捧げる男の勇敢なドラマ』として描かれがちですが、戦争は決してそんな美談ではない。
5描かれるのは、第二次世界大戦にソ連兵として従軍した女性たち。
昨年の「Comic Walker」での連載開始以来、Web上で大きな反響を呼び、この度コミックス第1巻が発売となりました。
表には出てこない、私たちが知らない戦争のリアルな悲惨さが、他国の女性の体験を通じて見えてきます」 アレクシエーヴィチさんは 2015年、ノーベル文学賞を受賞した。
それぞれの、いちばんの願いがむきだしになり「個人」に戻った顔を見せるのが、とても印象に残りました。 と 想像せずにはいられなかったです。 難しさを知るからこそ、「ここまで聞き出したのは大変なことだったと思う」と、アレクシエーヴィチさんを讃えた。
17狙撃兵、砲兵、書記、衛生兵、斥候、機関士、軍医などなど。
洗濯機なんかまったく気配もなし。
(ただし、分量もコン級…、根を詰めて読んでも一週間はかかるだろう。
「極限の状況で感情が麻痺し、残虐になっていく心の動きや表情が、淡々と、しかし、とてもリアルに描かれている。 という国がかつてこの地球上にあったという もはや過去の物語になりつつある記憶も、この本の中にはあります。
10常に忘れ去られるものがあり、歴史として覚えておかれるものはむしろ稀だ。
女性たちは「祖国のために」、自ら志願して従軍する道を選んでいます。
だから心を打ちます。
の自伝『欲しがりません勝つまでは』や 『』を思い出しながら読みました。
洗濯をして干すんですが、寝るのもそこでなんです。
まあこれだってかなり悲惨だし、貧相な物流のための飢餓もかなり問題ではあった。
本書はインタビューに基づいているであって事実に基づいているわけでは無い事を前提なのですが そういった意味で詳しい方から疑念が出ていてもある意味的外れの指摘なのです。
6あの戦争がなければ、ひとりひとりの命が失われることはなく、この国じたいが辿った後の歴史もまったく違うものだっただろう. 『戦地の女の青春』 の記録で、記憶なんだけど、同時にこれは 『の青春』 の物語でもあるなあ、と。
何人ものインタビューからなっているので、多くの登場人物が描かれます。
戦争の女の顔は、慎重に丁寧にあるいは無自覚に、隠されてきた。
そのくせ、しばしば作画者の感傷が顔を出す。 独ソ戦で死んだ 3000 万人以上の人間のひとりひとりに個別の顔がある。 この戦争の悲惨さを示すには数字を挙げるだけで足りるだろう。
2「国を守るために戦うのだ。
兵士ではなく、日常と地続きの戦場にいたワレンチーナ中尉が、このマンガの水先案内人として最も相応しいと思ったからです」 小梅さんと長くタッグを組んできた、編集者の荻野謙太郎さんはこう話す。
独ソ戦は第二次世界大戦中のドイツ、ソヴィエト連邦間の戦争である。