永田 「君には迷惑ばかりかけた。 その中で、自尊心、嫉妬、焦り、そして恋愛。 そしてお金がないから彼女のアパートに転がり込む。
14伊藤沙莉さんはかなりハマり役だったと思います。
その裏返しでもあるかもしれないが、沙希は純粋で自分の感情に素直でいつづける。
では、 彼は演劇に何を求めているのか。
主人公の永田はどうしようもないクソ男 被害者面、ヒモ男、独りよがり っていうキャラ設定はいいんですが、 キャラに魅力がないんです。
少し自分の過去と重なるところもあり、泣けてきました。
人生の苦しさを表現することが彼にとっての演劇なのではないかと思わずにはいられない。
そして、 人とは少し違った彼女の行動は、 新作のアイディアにもなりました。 沙希は泣き止んで 素敵な笑顔を見せました。 ヒロインである 沙希は(小説版のネタバレになるが)映画と同じように一度は別れを切り出すが、主人公永田が仮面を被って「ばああ」とおどける、「開演前のブザーのように」何度も繰り返すその仕草に「沙希は観念したように、ようやく泣きながら笑った」という永田のモノローグ、復縁を感じさせる一文で物語は終わる。
小峰の劇場をみた永田は劇場をみてはじめて涙を流します。
特に後半ではセリフ一つ一つがボディブローのように効いてくる素晴らしい演技でした。
永君は本当に悪くないの。
ダメ男役の山崎賢人が魅力的に見える不思議 髪の毛ボサボサで無精ひげ、決して清潔感があるとはいえない『永田(ながた)』役を演じているのは山崎賢人さん。 でも永田はどこかで沙希のために生きたいと思っている。 沙希と一緒に演劇をやっていれば演劇も沙希も両方大事にすることができたかもしれないのに。
このシーンは力強さこそ違えど、行定勲監督の名作『GO』の窪塚洋介にも通じるところを感じました。
そして、沙希と演劇を両立させられないこともわかっていた。
地元で体調を戻すよう母に言われたのです。
彼が主演として作品を引っ張り、僕も彼と一緒に演じたことによってこのような賞をもらえた部分もあると思う」 友人関係とはいえ、主演男優賞にノミネートされておらず、会場にすらいない俳優の名前で記念すべきスピーチの大半が埋まる内容は異例と言ってよかった。 2人は連絡先を交換して別れます。 彼の人生を見ていると、わざと苦しみを選んでいるというか、あえて間違った選択肢を選んでいるように見えることがある。
14しばらくして後、付き合うことになった2人。
他の人たちはすべて社会と自分の関係性を意識して発言したり行動を決めるが、沙希は徹底的に自分の感情に素直なのだ。
ただ、又吉の2作に共通する「夢破れし者への優しさ」という視点を弱めたかとも思う。
中学からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑)。 将来が見えない沙希。 「恋愛がわからないからこそ、書きたかった」と又吉自身が語るこの恋愛小説は現在の原作累計発行部数は約50万部、恋愛純文学として異例のベストセラーとなり、今もなお、多くの人の心をとらえて離さない一作となっている。
8『劇場』パンフレットには松岡茉優の 〈私がこの役を引き受けた理由には、この役を演じることで大人の女性を救えたらいいなという思いがありました〉という言葉が収録され、彼女のラジオ番組『マチネのまえに』では、ゲストで招かれた行定勲監督を前に 「別れない人たちが別れればいいかなって思って……語弊があるかな。
永田は脚本・出演家・役者を務めていますが、永田が作り上げる世界観は上演ごとに酷評されて客足も少なく聞く耳を持たない永田は劇団員からも見放されます。
なんのために生きるのか この映画は一言で言えば「 なんのために生きるのか」の映画だ。